ニュースや新聞でよく聞く「金融」という言葉。「なんとなく難しそう」「自分には関係ないかな」と思っていませんか。実は、私たちの生活は金融がないと成り立たないほど密接に関わっているのです。
今回は、難しい言葉を使わずに**「金融ってなに?」という疑問から、「日本の銀行とお金の流れ」**の仕組みについて、中学生でもイメージできるようにわかりやすく解説していきます。
金融ってなに?一言でいうと「お金の橋渡し」
まずは「金融(きんゆう)」という言葉の意味から見ていきましょう。漢字を見ると難しく見えますが、実はとても単純な仕組みです。
金融とは、一言でいうと**「お金を、必要な人のところへ回すしくみ」**のことです。
世の中を見渡してみると、大きく分けて2種類の立場の人がいます。
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お金が余っている人(今すぐには使わないお金がある人)
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お金が足りない人(今すぐにお金が必要な人)
この2人の間に入って、お金をスムーズに移動させること。これが「金融」の正体です。これがあるおかげで、世の中のお金は止まることなく動き続けています。
お金が余っている人と足りない人の関係
では、具体的にどんな人が「余っていて」、どんな人が「足りない」のでしょうか。
お金が余っている人(貸したい側)
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給料をもらった会社員
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コツコツ貯金をしている家庭
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利益がたくさん出ている会社
これらは「今すぐ全部は使わないお金」を持っている人たちです。「将来のために取っておきたい」「安全な場所に預けておきたい」と考えています。
お金が足りない人(借りたい側)
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マイホームを建てたい人
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新しいお店を始めたい人
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大きな工場を作りたい会社
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道路や学校を作りたい国や自治体
これらは「夢や目標のために、今まとまったお金が必要」な人たちです。この両者をつなぐことが、社会にとって非常に重要なのです。
日本の銀行が担っている3つの役割
お金が余っている人と足りない人を直接つなぐのは大変です。そこで登場するのが「銀行」です。銀行は、いわば**「お金の仲介人(ちゅうかいにん)」**です。
日本の銀行は、主に次の3つの仕事をしています。
1. お金をあずかる(預金)
私たちが銀行にお金を預けることです。銀行はそれを金庫のように「安全に保管」してくれます。
2. お金を貸す(融資)
ここが重要なポイントです。銀行は、みんなから集めたお金をそのまま持っているわけではありません。「家を建てたい」「会社を大きくしたい」という人に貸し出しています。
3. 決済をする
振り込みをしたり、給料の支払いを代行したり、クレジットカードの引き落としをしたりします。現金を直接手渡ししなくてもお金が移動できるのは、銀行が「移動係」をしてくれているからです。
図解でイメージする日本のお金の流れ
では、私たちの社会でどのようにお金が回っているのか、日本の銀行とお金の流れを整理してみましょう。お金は一方通行ではなく、ぐるぐると回っています。
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私たち(家計) 給料の一部や貯金を銀行に「預け」ます。
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銀行 預かったお金を、会社や国、家を買いたい人に「貸し」ます。
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会社・国 借りたお金で工場を作ったり道路を作ったりして活動します。そこで利益が生まれます。
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私たちに戻る 会社が儲かると、そこで働く人の「給料」が増えたり、国のサービスが充実したりして、私たちにお金や価値が戻ってきます。
このように、銀行を中継地点として、お金は社会全体を循環しているのです。
銀行はどうやって利益を出しているの?
「お金を預かったり貸したりするだけで、銀行はどうやって儲けているの?」と不思議に思うかもしれません。そのポイントは**「利息(りそく)」**にあります。
銀行の儲けの仕組みは以下の通りです。
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預金者へ払う利息:銀行が私たちにお金を預けてもらったお礼として払うお金(現在はほぼ0%に近いです)
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貸した人から貰う利息:銀行がお金を貸した相手から、お礼として受け取るお金(例えば住宅ローンなら1%前後など)
この「貸すときの金利」と「預かるときの金利」の**差額(さがく)**が、銀行の主な収入源になっています。
なぜ金融は「社会の血液」と呼ばれるのか
よく、金融は「社会の血液」に例えられます。人間の体において、血液が止まると酸素や栄養が運ばれなくなり、命に関わりますよね。経済もまったく同じです。
もし金融(お金の流れ)が止まってしまったら、どうなるでしょうか。
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家を買うお金が借りられない
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会社が新しい事業を始められない
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結果として、私たちの給料が増えない
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国や街の発展がストップする
お金がスムーズに必要なところへ回らないと、経済活動全体が止まってしまいます。私たちが豊かな生活を送るためには、金融という仕組みでお金を常に循環させることが不可欠なのです。
まとめ
今回は「金融ってなに?」というテーマで、日本の銀行とお金の流れについて解説しました。
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金融とは、お金を必要な人へ回す仕組みのこと
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銀行は、お金の橋渡しをする仲介人
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お金は止めずに回すことで、社会全体が豊かになる
普段使っている銀行口座の向こう側で、大きなお金の流れが生まれ、それが巡り巡って私たちの生活を支えていることがわかります。この仕組みを知っておくと、これからのニュースの見え方も少し変わってくるはずです。
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